浅間おろし つよき麓にかへりきて いそしむ 田人 たふとくもあるか
昭和22年 長野県大日向村 ご巡幸
この歌の奥には悲しい民の歴史があります。鳥肌がたちました。
本より引用します。P452
大日向村=満州開拓団の引揚村で、団員694名のうちソ連軍の攻撃に半数が虐殺あるいは自決、323名がやっと内地へ帰りつき、ここへ入植したのであった。陛下は急造の車も通れない2キロもの山道を徒歩おひろいで赴かれ、この人達を見舞われた。全員は泣いてお迎えした。この道は今に「天皇道」と称されている)
ソ連による民間人虐殺です。忘れてはならないと思います。
生き残った方々は、必死。しかし生き残ったことへの罪悪感があったと思います。
そこへ天皇陛下が来られる。たぶん「生きて帰ってくれてありがとう」と
いう気持ちで。
きっと村の人々は、許された気がしたのではないでしょうか。
東北大震災で 天皇陛下ご夫妻が 被災者を見舞われたときもこういうお気持ちだったと思います。「生きて帰ってくれてありがとう」
そこで返歌です
ふるさとに 生きて帰りし 村人の
こころ癒して ありがたきなり