むちうたば 紅葉の枝にふれぬべし 駒をひかへむ 岡ごえの道
馬上紅葉 明治41年 明治天皇御製百首 東洋生命保険株式会社奉公部
駒 「こま」って風情のある単語ですよね。
「馬」よりも親しみを感じます。
そして、馬上紅葉。美しいですね。
紅葉を散らしてしまわないように、乗馬を控えるよ。ということでしょうか。
それても、走るのを控えるよ。ということでしょうか。
日清戦争・日露戦争のとき、日本の馬は背が低く、また去勢もしていなかったので
制御が大変だったと本で読みました。
こういう改良計画があったのですね。
明治天皇の駒は、まだ背が低かったのか、それとも新し物好きの陛下らしく、
海外からもってきた背の高い馬にすでに乗っていたのか。
想像するのも楽しい。
しかし時は下って、昭和。
大東亜戦争後、引き揚げ時にたくさんの日本人が、一般市民が
日本から連れて行った駒たち。とてもつれて帰ることはできません。
たくさんの駒をおいていかざるを得なかったと、本にありました。
その駒も、日本人と同じように、犠牲者です。
合掌。